【埼玉】がんケアマップ　患者支援　「川口市」「戸田・蕨市」「さいたま市南区・緑区」の専門病院や相談窓口を一覧に

毎日新聞社 2014年5月15日(木) 配信

がんケアマップ：患者支援　「川口市」「戸田・蕨市」「さいたま市南区・緑区」の専門病院や相談窓口を一覧に　／埼玉

　年を取ったり病気になったりした際、お互い助け合う仕組み作りを進める民間団体「このまちで暮らす会・むさしうらわ」（さいたま市・岡部弘代表理事）が「がんの治療＆在宅ケアマップ」を作成した。がん患者や家族らが、地域にある専門病院や退院後の相談窓口となる訪問看護ステーションなどを地図で一覧できる。岡部さんは「２人に１人ががんになる時代。いざという時に備え、（マップを）活用してほしい」と話した。

　暮らす会はＪＲ埼京線武蔵浦和駅周辺で活動していたさまざまなボランティア団体が「住みなれた地域で、支え合う仕組みを作ろう」をスローガンに、６年前に発足。近所に住む会員同士が、家事や病院への送迎など細々とした日常の生活支援を相互に行う。

　活動を続ける中、がんへの関心が高まり、３年前に「市民の医療ネットワークさいたま」と共同で、川口市など県南地域の病院や訪問看護施設などが連携してがん患者を支援する「在宅・ホスピスプロジェクト」を提案。在宅医療と小規模施設でのホスピスケア（終末期医療）によって、住みなれた我が家で暮らし続ける患者・家族の支援体制を確立しようと、取り組み始めた。

　今回のマップは「川口市」「戸田・蕨市」「さいたま市南区・緑区」の３地域を掲載。がん医療の中核的拠点病院、患者を受け入れる一般病院、訪問診療を行う医院・診療所と訪問看護ステーションの住所などが記載してあり、患者らは、病気の進行段階や居住場所によって相談できる医療機関が一目でわかる。今後、さいたま市の残りの区域や上尾、蓮田市などのマップも作成する。

　県内の年間死亡者のうち約３割ががんで死亡原因の第１位。マップは１万２０００部を印刷、希望者などに配布している。事務局長の上田寧さん（６５）は「がんは百人百色で、手術法も異なる。がんにどう対処するかは、自分で決める時代になった」と、情報の大切さを強調した。問い合わせは暮らす会（電話０４８・８３７・３５６１）。【鴇沢哲雄】

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