造影剤注射、直後に女児死亡 愛知・常滑市民病院

造影剤注射、直後に女児死亡　愛知・常滑市民病院

朝日新聞 2014年6月10日(火) 配信

 

　愛知県常滑市の同市民病院（同市鯉江本町４丁目）で、造影剤を注射された県内に住む小学１年の女児（６）が、直後に呼吸困難に陥って死亡していたことが１０日、関係者への取材で分かった。造影剤により急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」を引き起こした可能性があるという。

　関係者によると、女児は発熱のため５月下旬に入院。６月３日、エックス線撮影のために造影剤を注射したところ、吐き気と腹痛を訴えた。医師は注射を中断して救命措置をしたが、女児は呼吸困難に陥って間もなく死亡したという。

　病院は女児の死亡当日に常滑署に連絡。同署は司法解剖したが、死因は不詳だった。今後、担当医らに事情を聴く。女児の保護者からは、造影剤投与の同意は得ていたという。

　造影剤はエックス線撮影などの検査で、画像を見やすくするために用いられる。胃の検査の際に飲むバリウムも造影剤の一種。

　常滑市民病院の山本秀明事務局長は「再発防止のため、病院内の専門部署で事実関係を調べている」としている。

　厚生労働省によると、アナフィラキシーショックを含む造影剤による副作用では、２００８～１２年度に５５人が死亡している。１２年１２月には、東京都内の小学校で、給食を食べた後に、５年生の女児が食物アレルギーによるアナフィラキシーショックとみられる症状で死亡している。

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　〈アナフィラキシーショック〉　薬剤のほか、食べ物やハチに刺されたことなどで起きる重度のアレルギー反応。呼吸困難や腹痛、嘔吐（おうと）などの症状を同時に引き起こし、血圧や意識の低下に至ると生死に関わる。厚生労働省によると、アナフィラキシーショックを含む造影剤による副作用では、２００８～１２年度に５５人が死亡している。１２年１２月には、東京都内の小学校で、給食を食べた後に、５年生の女児が食物アレルギーによるショックとみられる症状で死亡している。

 

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