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157感染症 例年上回る - 食中毒の予防徹底を
腸管出血性大腸菌(EHEC)O157感染症の今年に入っての報告数が、第16週(4月22日)までに126例と、この5年間で、2010年に次ぎ2番目に多くなっている。重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(HUS)の発症率は例年と変わらないが、発症人数は2番目に多い。国立感染症研究所は「感染症週報」に掲載し、流行期の夏を控えていることから、関係者に周知を図っている。
今年に入って、13週までは毎週5例以下で推移していたが第14週に22例、15週が56例、16週が16例と、例年を上回る報告数で推移している。22都道府県から報告があり、累積報告数が10例以上あったのは福島県34例、東京都21例、山形県18例、新潟県10例など東北と関東に多かった。
報告のあった症例のうち、「馬刺し」と関連した記述があったのは約半数の52例と多かった。山形県は全てが「馬刺し」関連で、東京都12例、福島県10例、新潟県9例だった。年齢別では20歳代が11例と最も多く、次いで10歳未満と10歳代、30歳代が9例ずつで、比較的若年層で多かった。こうした症例には喫食(疑いを含む)に加え、馬刺しを喫食して下痢、血便などの消化器症状のあった成人の家族の二次感染が疑われる症例も含まれていた。
HUS発症数は3例(発症率2・4%)だった。ここ5年間の同期をみると、09年3例(同2・9%)、10年5例(同2・8%)、11年1例(同1・5%)、12年1例(同1・5%)、13年3例(同4・5%)と発症率は例年と変わらない。14年の馬刺し関連症例のうち1例でHUSが確認されている。
感染症週報では、「O157感染症は例年を上回る報告数で推移しており、夏期の流行期に備え食肉の十分な加熱処理などによる食中毒予防の徹底、手洗いの励行、ヒトからヒトへの二次感染を予防することが重要。HUSなど重症な合併症発症リスクが高い小児に特に注意を要する」と注意を促している。
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MERS感染、18カ国に WHO、警戒強化呼び掛け
【ジュネーブ共同】サウジアラビアを中心に猛威をふるう中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が、中東だけでなく米国やオランダなどにも飛び火、これまでに感染が確認された国は18カ国に達した。世界保健機関(WHO)は、感染国だけでなく日本を含む全ての国に、医療施設での感染防止策など警戒を強めるよう呼び掛けた。
MERSコロナウイルスはラクダが人への主要な感染源と疑われており、ワクチンはまだ開発されていない。WHOの15日時点のまとめでは、報告のあった感染例は世界で計572人。うち約3割に当たる173人が死亡した。
WHOによると、サウジで3月以降、感染者が増え始め、4月に急増。4月中旬にはマレーシアでサウジから帰国した男性が死亡し、アジア初の死亡例となった。
米国では今月、サウジから渡航した計2人の感染が確認された。17日には、1例目の感染者と接触したイリノイ州の男性の血液から、ウイルス感染があったことを示す抗体が見つかったことが明らかになった。オランダでもサウジから帰国した男性の感染が判明。オランダで初の確認例となった。
感染が確認された国はほかにヨルダン、クウェート、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、エジプト、チュニジア、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、英国、フィリピン。
WHOは今月13日、緊急委員会を開き、感染状況を討議。人から人への継続的な感染が起きている証拠がないことなどから「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には至っていないと判断したが、状況は急激に深刻さを増しているとの認識も示した。
WHOのフクダ事務局長補はジュネーブでの記者会見で、世界中からサウジを訪れるイスラム教徒の巡礼者らに「ウイルス感染についての注意を喚起することが特に重要だ」と強調した。
※中東呼吸器症候群(MERS)
新型肺炎(SARS)を引き起こすウイルスと同じ仲間であるコロナウイルスの新種による感染症。2012年に発見され、サウジアラビアを中心に中東に広がった。感染すると、発熱やせき、呼吸困難、腎不全などの症状が出る。ほとんどで肺炎が起き、多くが下痢を伴う。現段階では特別な治療法やワクチンはなく、対症療法しかない。人への感染力はそれほど強くないとされている。(ジュネーブ共同)
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福島の甲状腺がん50人に 子ども37万人調査 1巡目の検査終了
福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、対象者の約8割の結果がまとまり、がんの診断が「確定」した人は県が今年2月に公表した数より17人増え50人に、「がんの疑い」とされた人が39人(前回は41人)に上ることが17日、関係者への取材で分かった。
検査は県内の震災当時18歳以下の約37万人を対象に県が実施。今年3月までに1巡目の検査が終わり、4月から2巡目が始まっている。
チェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認された。このため県は1巡目の結果を放射線の影響がない現状把握のための基礎データとし、今後、2巡目以降の検査でがんが増えるかどうかなどを確認、放射線の影響の有無を調べる。
1巡目では、1次検査として超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形状などを調べ、大きさなどが一定以上であれば2次検査で血液や細胞などを調べた。3月までに約30万人が受診、全対象者の約8割に当たる約29万人分の1次検査の結果がまとまった。
2070人が2次検査に進み、がんと診断が確定した人は50人、疑いは39人だった。手術で「良性」と判明した1人を加えた計90人は、震災当時6~18歳。このうち34人は、事故が起きた2011年3月11日から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、最も高い人は2・0ミリシーベルト以上2・5ミリシーベルト未満で、21人が1ミリシーベルト未満だった。
国立がん研究センターによると、10代の甲状腺がんは100万人に1~9人程度とされてきた。一方で、環境省は福島県外の子どもの甲状腺検査を実施し、約4400人のうち、1人ががんと診断。「福島と同程度の頻度」として、福島での放射線の影響を否定している。
※甲状腺がん
甲状腺は喉にある小さな臓器で、成長などにかかわるホルモンを分泌する。原発事故で出た放射性ヨウ素が呼吸や飲食を通じて体内に取り込まれると甲状腺にたまりやすく、内部被ばくしてがんになる危険性が高まる。特に子どもが影響を受けやすく、1986年のチェルノブイリ原発事故後、周辺では子どもの甲状腺がんが急増した。早期に治療すれば高い生存率が期待できる。
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医療過誤訴訟 医院側に4933万円賠償支払い命令 宮崎地裁判決
医療過誤訴訟:医院側に4933万円賠償支払い命令 地裁判決 /宮崎
宮崎市の「宮路医院」(宮路重和院長)で、がん治療で入院中の女性(当時70歳)が死亡したのは薬剤の過剰投与が原因などとして医院側を相手取り、遺族が8670万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、宮崎地裁であった。内藤裕之裁判長は医療ミスを認め、4933万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は乳がんの術後治療のため2011年10月に入院。院長は白血球減少の副作用のある抗がん剤を過剰な量投与し、検査で白血球減少を確認せずに再度投与。このため女性は敗血症を発症し、同27日に死亡した。内藤裁判長は「高齢で糖尿病だった女性は副作用が起きる危険性が高かったにもかかわらず十分検査したとは認められない」と院長の注意義務違反を指摘し、女性の死亡と抗がん剤投与の因果関係を認めた。
医院側は「先方に誠意を持って接してきたが、こうした結果になり残念。厳粛に受け止めて対応したい」と話した。【尾形有菜】
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緑茶で認知症リスク減
緑茶を頻繁に飲む習慣のある人は緑茶を飲まない人に比べ、物忘れなどの認知機能低下や認知症にかかるリスクが低かったとの調査結果を、金沢大の山田正仁教授(神経内科学)らの研究グループが15日、米科学誌「PLOS ONE」オンライン版に発表した。同グループは認知症の予防につながる可能性もあるとして、研究などを進める。
調査は2007年から認知症の早期発見や予防法の確立に向けて、七尾市中島町で始めた。08年まで60歳以上の982人を対象に緑茶、コーヒー、紅茶を飲む頻度を調べ、認知機能検査や採血検査を実施。5年後、研究開始時に認知機能が正常だった490人を再調査した。
その結果、軽度認知障害か認知症を発症したのは、毎日緑茶を飲む習慣のある人は157人中18人(11・5%)、週に1~6日緑茶を飲む人が195人中29人(14・9%)。これに対し、緑茶を飲まない人は138人中43人(31・2%)に上り、緑茶を飲んでいる人の認知機能低下のリスクが、飲んでいない人に比べて3分の1~2分の1になっていることが分かった。コーヒー、紅茶を飲む習慣と、認知機能低下の関連は見つからなかった。
山田教授は「認知機能低下の予防にはカテキン類や、ポリフェノールがかかわっている可能性がある。認知症予防の開発研究も進めていきたい」と話している。
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